インクが切れる時はなぜか同時に切れるの法則

万年筆が好きな人というのは、実際にお会いするとそれはそれは印象様々なんだけれど、メンテナンスやカスタマイズに関する手間というのを惜しまない方が多い気がする。もちろん、このディスポ当然のご時世で、あえて万年筆を使おうなんていう人々だから、そういう傾向があるのだけれど、そういう作業が苦にならないというのはなかなか特殊な人種でありましょう。

私は、そんな中ではかなりズボラな方、だと思うのだけれど、たぶん人より字を書く量が多いせいか、頻繁に洗浄やインクの補充をするはめになります。こういうのってなぜかシンクロするようで、先日は一気に5本洗って、インクを入れることに。万年筆としてはコンバーターより吸入式の方が何となく好きなんですが、洗うときばかりはコンバーターがお気楽で安心。外して洗えるし、本当にヒドイ汚れなら、別のものに交換もできる。水分も飛ばしやすいしね。ぶきっちょでなにかと色々間違える私でも安心です。

 

洗って干して、翌朝さて今度は何のインクを入れようかとベランダ脇でコーヒーを飲みながら考えているのはなかなか楽しい時間。大抵、インクを入れている本数よりも沢山インクを持っているわけだから、使ってみたいインクは色々あるのです。でもやっぱりペンとの相性も大事だから、入れられるインクはそれなりに限られる。「この軸の色にそのインクはないだろー」とか、「このペンはさらさら系のインクが相性がいいから粘度高めは避けよう」とか、「この間よくにた色入れたばっかりだしなあ」とかまあ、あーでもないこーでもないと考えるわけです。もっと凝るかたはpHがとか、煮詰まりやすいインクはねじ込み式のキャップのペンで等々、ひとによってこだわるポイントも様々。そういうお話をTwitterなどでもれ聞くのもなかなか楽しい。

 

結局、いただいたばかりのインク、ウォーターマンのインスパイアブルー、色彩雫の江戸紫を中心に、手を少々紫にしながらのんびり詰め終えたのでした。そして、何も考えずに入れてたのですが、気がつけばペンとインクがちゃんと同じメーカーに揃ってる。ついでに軸も磨いて記念撮影!したら、見事に黒軸ばかりで、自分でもおかしかったです。わざわざ揃えたわけじゃないんですよ、ホントに。

特に黒に金トリムのペンは”仏壇”と言われているわけですが、やっぱり定番ですし、各メーカーの高級ラインには必ずある色合わせなので、万年筆らしいスタイルな気がします。ただ、特殊ペン先などデザインが仏壇のみ(もしくはシルバートリムの黒)というものも多く、見分けがつきにくいっていうのがちょっと困りもの。明るい色や透明軸が選べる特殊ニブ(ないわけじゃないですが)を各社だしてくれると良いな~と思ったりしています。

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