サクラダファミリアの蕾

前回のボルドーへの旅からちょうど1年。バルセロナに行ってきた。

暑い!

今年は久しぶりに日本の酷暑の始まりは緩いななんて思っていたところ、38℃である。

例によって行くと決めたのは大分前なので、こんな風に戦争やら石油不足やら円安やらで、お財布は瀕死だし、たどり着くのに20時間だし、前日までツールドフランス(フランスでやるんじゃないんかい)やってたし、ワールドカップでスペインは勝ち上がっている。なかなか予定外だらけの旅になった。

前回バルセロナに行ったのは確か、10年ぐらい前か?しめっぽいイギリスから青空のバルセロナについて、えらく感動したのを覚えている。今回は湿っぽい梅雨の日本から快晴のバルセロナ、ただし毎日35度越え。帽子とサングラスでなんとか生き延びたけど、帰る頃にはサンダルの紐の形に足の甲に日焼けが残っていた。

久しぶりにひとりでフラフラと出かけたため、小さなトラブルだらけで結構「年とったか私…」と落ち込む出来事がいっぱいだったが、まあ年に一回かさぶたはがしにいくようなもんだと思うことにしよう。今回は別に観光!とかそういう感じでもないので、例によってダラダラ旅行記である。肩肘はらずにお楽しみあれ。

ちなみに去年のボルドーも40度越えで、入国したとたんにフランス政府からの警告メッセージがスマホに入ったし、仕事の会場が冷房なしという恐ろしい事態だったので、暑さ具合では去年の方がすごかったかもしれない。

やたら蹴躓くがコケはしない程度の旅の筋力

縁取りルート
ドリームライナーは電子シェード
小さい飛行機に乗り換え 外気温12℃
思ったより早く乗る羽目になった地下鉄

基本的にツアーではなくて、飛行機と宿はネットで自分で取るので、ルートは時間と値段と安全のトレードオフで決まる。値段だと中国系、ドバイ経由が一番安いし、日本の直行便が楽だし安全ではあるのだが、なかなかなお値段である。結局周囲の人の納得も含めて、ワルシャワ経由で行くことにした。12時間乗って、小さい飛行機で3時間というところ。お財布はまったく納得していないけれど仕方がない。

なんとなく北欧系のアラスカ経由北極超えてくコースかなと思っていたが、きれいに北朝鮮とロシア、ウクライナの外側をなぞるようなルートであった。飛べない空の多いことよ。

バスを降りそびれる🧳

今回は通わねばならない会場に電車で一本で行ける(基本的に一人旅の時はこれが宿の選択基準)スペイン広場近くのホテルを取った。今年も暑いと聞いて、ちゃんと冷房完備なのを確認。とりあえず大丈夫なはず。

空港に降り立って、とりあえずスペイン広場に止まる空港バスに乗る。バス内に電光表示も出てるし、市街にでて最初のバス停だから、大丈夫だろう。

そう、こうやって「大丈夫だろう」、が続くときだいたい大丈夫じゃないことがやってくる。
降車ボタンを押したにも関わらず、バスは止まらず表示は次の停留所へ。なにしろ空港バスだから、次の停留所が遠い。びゅんびゅん後ろに行く景色に、周りの人々と顔を見合わせてなんとか次の停留所で降りる。さて、ここはどこだ

やっちまった……とは思うものの、距離はあるがルートは大通り一本道のはず。地下鉄のマークをなんとか見つけて、2駅戻る。よくわからんから24時間乗り放題のチケットを買う。たしか割引コードを持っていたはずなのだが、スーツケースをもってワタワタしている暇はない。とりあえずスペイン広場にたどり着いた。

ヨーロッパの夏あるあるで、そこここが工事中。これが噂のスペイン広場

Google Mapを頼りにホテルに向かうと、途中空港バスの停留所らしきものがあった。工事中だらけで、ここがスペイン広場というサインも気配もかけらもない。これは、たとえドアが開いたとしても降りれなかったかもだし、もしかしたら運転手さんからすれば「停止したのにドア開ける人がいなかった」のかもしれない。まあしょうがない。これは初見では勝てない。

ホテルにたどり着いて、陽気なフロントのお兄さんが歓迎してくれる。お、とりあえず部屋に入れるらしい。ラッキー。
部屋に入ると、ギンギンにクーラーが効いている。おー、これは当たり🎯だ。成田から20数時間。ようやく、荷物をおろしてほっと一息ついたのだった。

それにしてもこの上のスペイン広場の写真、ポールど真ん中ですよ(笑)。現像してびっくり、どんだけ見たいものしか見てないんだ私。

冷蔵庫はない🍹& 謎のシャワーシステム🚿

素敵なお宿だ!とベットにジャンプしたものの、ん?なんかないぞと気が付く。WiFiはある。TVもある(あんま見ないけど)。金庫もある。
あ、冷蔵庫とポットないじゃん。案内によればポットはフロントで貸してくれるらしい。

日本は冷蔵庫普通にあるからなあ…と思ったけど、よく考えたら去年のボルドーのホテルも冷蔵庫ついてた。夜冷たいものが飲めないのと、スーパーでチーズ買ってきて食べる野望(スペインのチーズは割と好きなので楽しみにしていた)が難しい。保冷バッグ持ってくればよかったなあ。とりあえず缶の飲み物で、洗面台に水貯める方式で軽く冷やすしかない。

そして、上に大きなシャワーと手持ちの小さいシャワーがセットになっているシャワーブース。どんなかなあと小さいシャワーのハンドルを徐々に大きくしていたら、突然頭上からザー。ひゃー。切り替えハンドル動かしてないのになぜー。この謎が解けるのは最終日だった。

道案内を期待してはいけない👉

とりあえず24時間券を買ったし、場所の下見に行くかと身軽になって地下鉄へ。大きな会場だし最寄り駅までいけば書いてあるだろうと地上にでたものの、それらしき場所はない(なんか工事している)。同じ会場をさがしていると思しき人達がスマホを見ながら空を見上げて、ウロウロしている(最終的には、この時の道はまったく見当違いの方向だということがわかった。あの人たちも無事会場にたどり着けたことを祈る)。

実際には会場がでかすぎて、場所によって最寄り駅が違うということが最終的にわかったころには、炎天下を30分近く歩いていた。途中熱中症が怖くなったので、ショッピングモールに潜り込んで避難。このデジタル時代にたどり着けないってことはないよなとちょっとうんざりした。最終的に道がわかってからさらに15分。帽子とサングラスで武装してきたけど、かなり焼けた気がする。思えばSPFのついてる下地を塗ったのは24時間以上前だ。
会場に行けばウオーターサーバーがあるはず(そのために一応水筒もってきてた)……普通の水道のため、ほぼお湯。これはなかなかしんどかった。自販機はほぼ売り切れで、売れ残りの水はだいたい機械が詰まっているためで、コインをいれたところで出てきはしない。明日は会場にコーヒースタンドが出るらしいので、とりあえず飲み食いは大丈夫っぽいが、円安だからなー。会場でなんとか体を冷やして、正しい最寄り駅まで歩いた。この日は1.7万歩歩いてる。

汗だくでへとへとで、ご飯に出かける気力はないなと思ったので、ホテル近くのカフェで杏のパイとクロワッサン、謎のレモン味らしき缶入り緑茶(コンブチャか?)、スーパーで洋ナシとコーラ、ミネラルウォーターのボトル大を買って帰宅。勝率は微妙。
杏のパイ ◎  クロワッサン △ 謎のレモン味の茶 〇 洋ナシ × コーラ △(ぬるくなってたからしょーがない)

謎シャワーをしょぼしょぼと出して汗だけながし、その日は死んだように寝た。

この道も迷って結局端から端まであるいた。道しるべはなし。

翌日は自分のプレゼンの日だったので、早めに出かけて、今日は最寄り駅を間違えないぞと電光掲示板をにらんでいた。が、駅の表記が斜めだったため、ひとつ駅をずらしてカウントしていて、駅の看板も駅名よりもでかいなんかの会場の名前のせいで再認できず通り過ぎ、昨日と同じ駅まで来てしまった。
最寄り駅わかったのに乗り過ごしかいな。もう溜息しかでない。ちょうど反対側のホームに電車が来るところだったので、ダッシュでエスカレーターを駆け上がって、ひと駅もどる。ありがとう24時間券。朝からダメダメである。

スモークサーモンのベーグルサンドも最高

準備がおわってから会場で朝ごはん。スモークサーモンとチーズのベーグルは美味しかったうえにボリュームあって元気になった。やっぱりこういうものはほんと美味しいよなあ。良い加減のミルクコーヒーが飲めてちょっと回復。ユーロで払ってるので、あまり考えたくないが、これで1800円-2000円くらいだ。
プレゼンを終えて、とりあえず一安心。色々反省しながら会場をまわって今日もお疲れ様。昼も会場でバケットサンドを食べたけど、シンプルにハモン・イベリコ(生ハム)をはさんだだけなのに、脂がとろけて最高。前回来た時はパエリアとかばっかり食べてたけど、チーズとか生ハムとかおいしいなあ。帰りに前日に避難したショッピングモールにあったスーパーのカルフールにより、好物のフラットピーチを発見して(スペイン語表記オンリーの量り売りだったがなんとかクリア)、その他食べられるものを買って帰宅。調子に乗って、カフェでトマトとハムのバケットサンドを買ったのだけど、レタスとか入ってるのに売り子のお兄さんに笑顔でオーブンで温められて、なかなかつらい食べ物になってしまった。ぬるいレタスと焼きトマトはちょっとやだ。

外を歩いている私は紫色で点滅しているのではなかろうか

大仕事が終わったので、翌日は近場をぶらりとしてから会場に行こうと思っていた。

10年前初めてバルセロナに来た時は、サクラダファミリアを見て、グエル公園にいって、ロープウェイに乗って、ビーチにいって、カーサなんとかみたいのをいっぱいみて、ぼったくりレストランで大ジョッキのビールを飲んだ(とりあえずビールを頼んだら、サイズを指定しなかったばっかりに巨大ジョッキがきた。ちなみに隣のアメリカ人のグループのところにも大ジョッキのサングリアがきていて、お互い肩をすくめあった)。もりもりである。

今回は、あんまり見てあるく時間はなさそうだなあと思っていたので、10年前にみたサクラダファミリアを外から見る、というのが唯一の目標である。内部に入るには予約がいるが、いつ行けるかわかんないので、内部はまあいいだろう。外からどんぐらい変わったかをみたかったのだ。前回のもりもりに比べて超ハードル低い目標だった。

というわけで何も決まってないので、AIに前回いったところを書いて、ぶらりと行けるおすすめを聞いてみたら、「MNACがいいのでは」という。なんだよ初手で略号を使うなよ。なんか使われてる気がすると思いつつ、「MNACとは?」と打ち込むと色々教えてくれた。カタルーニャ美術館(最初からそう言えよ)。まあ近いし歩いて行けるからとりあえずそこに行こう。

MNACからスペイン広場を見下ろす

スペイン広場からなかなかかっこいい通りをあるいて、エスカレーターを何本か乗り継いで、なんかお城のようなところに到着。朝早かったからほとんど人はいない。そろそろ開く時間みたいなので、景色でも眺めるかと振り返った瞬間、気が付いた。このお尻には見覚えがある。歩いてきた間にはまったくおもいださなかったのに、彫刻の尻で思い出すとは我ながら笑えるが、うん、このお尻は覚えてる。10年前すでにMNAC実績解除済みじゃん。前回もこの景色に尻!って思ったよ。

せっかくなので美術館を堪能し、いいなと思った絵の多くは Josep Duranの名前がついていた。メモメモ。こんなに天井の高い建物ががっちり冷房されているのはすごいなあと思いつつ、思ったより暑さに負けていた体がようやく冷めた。ちなみに順路がわからなくなって学芸員さんに出口まで連れてってもらった。情けない。やらかしっぷりは健在である。

結構しっかり美術館にいたので、そろそろ会場に行くかとスペイン広場に向けて歩き出す。あの丸い建物は昔の闘牛場?らしく現在はショッピングセンターだ。どうやらあそこの地下にスーパーがあるらしいので、飲み物を調達がてらそこを目ざす。

時間がたったせいか日が高くなり日差しが容赦ない。なんだか下り坂なのにフラフラする。気分はRPGで知らずに毒の沼とか歩いてあっというまにHPがなくなっちゃうキャラである。とりあえずショッピングセンターに逃げ込むも体温がなかなか下がらないし水を飲んでもちょっと気持ち悪い。とりあえず座るために、地下のカフェでヨーグルトフラッペを頼んだ。毒々しいピンクのイチゴソースのジョッキサイズみたいなのが来たのでげんなりしたが、甘さは控えめでヨーグルトシェークだったので、感動しながら内側からも体を冷やす。はー、HP結構やばかったのかも。前回のぼったくりレストランの大ジョッキも通常サイズだったのか(んなわけない)。

会場に向かい、ふたたび炎天下15分を耐え(今回は最寄り駅でちゃんと降りられた)それなりに収穫を得て、しっかり体を冷やし、ふたたび地下鉄まで歩く。「ふふ、ようやく慣れてきたかもね。エンジンかかるの遅いのよ私……」なぞと思っていると(懲りてない)、ほらそこはフラグ。トラブルがやってくる。電車が動かないぞと。

故障で電車が止まる場合はどうする?

どうやら同じ路線で電車が故障したらしく、20分以上まったく動く気配がない。地元の人々が運転手に聞きに行ってるが、何言ってるかはわからないので大人しくgoogle mapを見る。うん、止まってる。故障。再開のめどは不明。Google Mapは一応代替ルートを教えてくれるがいくつかのバスルートにはなんか警告マークがついている。デモやツールドフランス関係でルートが変わっている可能性が示唆されている。一番のおすすめは徒歩!(今のHPじゃ毒の沼を渡り切れる気がしないし、車内はちゃんとクーラーが効いて座れている)。結局さらに15分何もせずに待ってたら、スペイン広場の駅まで動いてくれた。ありがたや。焦らずにいてよかった。
(ちなみにイギリスにいたとき地下鉄が止まったらとりあえず脱出。すぐ動くことはほぼないし、他の手段を考えたほうが早かった)。

というわけで無事に宿に戻る。本日は2.3万歩。あー、へとへとじゃ~とシャワーをだしてたら、ブースから水漏れして床にあふれ、あわててタオル全投入。は~。

目標達成

やってきましたサクラダファミリア

そう、そしてついに翌日サクラダファミリアにやってきた。わー、いっぱい装飾が増えてる!なんか字もついてるし、色がついた丸いぽろぽろした芽とか蕾みたいな装飾がいっぱい。なんかこう色々芽がでた感じだなあというのが第一印象。前回みたときのアフリカの蟻塚感(失礼)がへって、水分と生命力が増した感じ。ぐるーっと一回りみて堪能してきた。うん、満足、満足。

その後も仕事の合間をみて、近所を色々お散歩してHP切れ前にカフェに入り、ふたたび街にでるみたいな感じで色々楽しかった。やらかしも引き続きで、大聖堂の写真を撮ったつもりで、手前にいる大道芸の人を入れてしまって、風船をもったおじさまに追いかけられるなど、まあ小さな色々は続いてゆく。(↓このスマホ写真がいかんかった。私の眼には大聖堂しか映ってなかった(やっぱり見たいものしか見てない)……ほんとにおじさますまんかった)

適当にとった街の写真色々をどうぞ(クリックすると大きくなる)。

そんなわけで、色々色々あったが、やはり面白い旅。一人で行くと、レストランでご飯というのが少なめなのが残念だけど、今回の旅で生ハムのとろける脂にめざめたので、帰ってきてもスペインの香りを楽しんでいる。長々とおつきあいいただきありがとう!

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