【微熱日記】ブランクの長いメダカ飼育員

前回の日記で、往復書簡から「胃が合うふたり」の話を書こうと思っていたのだが、せっかくなので「わるい食べもの」シリーズ4冊も読んでからと思ったら、間が空いてしまった。あと一冊なので、そのうち書く。

先日、産直の売り場の隅で取っ手付きのポットに入っためだかを見つけた。黒・赤・黄土色?のメダカが8匹ほど泳いでいた。小さなウォーターマッシュルームっぽい水草が浮いている。家人が飼いたいというので、助手席の膝の上でそっと揺らさぬように連れ帰った。ペット?と言っていいのかわからないが、20年ぶりぐらいに我が家に生き物がやってきた。

私は個人的な事情で、定年退職するまで生き物は飼わないと決めており、実家で飼っていた犬が亡くなってから20年だ。メダカや金魚なんて、私が小学校のころ飼っていたのが最後だからさらに倍ぐらいの年月が経っている。おまけにお祭りですくった金魚とか、田舎の用水路から追い込み漁で捕った大量のメダカとかだから、世話もまあ雑だったし、その当時どんな世話をしていたかなんて記憶の彼方だ。

メダカを連れ帰って、さてどうするか。

まあ今日は餌をやらなくても大丈夫だろう。ちょうど家にあった、ポットより1.5倍くらい大きい梅酒用のガラスの甕(よくある赤キャップの小さいサイズ)に念のため替えの水を、カルキ抜きのつもりで汲みおいておく。そもそもこのサイズに8匹は適正なのだろうか?ちょうど雨も降ってきたところで、どこにもよらずに帰ってきた我々は困惑気味だ。産直のメダカの近くには餌は売っていなかった。餌もいるし、なんかぽこぽこさせないといけないんじゃないの?ブランクが長すぎるポンコツ飼育員二人は途方にくれた。

翌日は平日なので、車でホームセンターに行っている暇もなく、そもそも近所にペットショップもない。家人が近所のショッピングセンターにペットショップがあったと言い出したので、とりあえず近くまで車で送って出勤した。確かにそういえば、犬の服とかリードとか置いてある店があった気がする。なんせこちらに引っ越してきてからずっと「用のない店」だったので、恐ろしく記憶が怪しい。たしか100均もあったから、餌は少なくとも売ってるだろう。すまないが帰りは電車でよろしく。

帰宅するとなにやら、茶色いペレットみたいなもの底に沈んで、それが割れて水が少々濁っており、なにがしかの努力がなされた模様。ショッピングセンターのペットショップは「犬用猫用品専門店」だったらしく、結局ダイソーで色々買ってきたとのこと。
「なんか入れたら、バンって結構な音がして割れたのよ!、おさかなも驚いちゃって」
って何をいれたのだ!?

たぶん、アンモニアの吸着をめざして「キレイ玉」ってやつっぽいのだけど、なにかその周辺が茶色く濁っていて、メダカにいい感じが全くしない。ちゃんと用法容量守ってるのだろか?なにせポンコツ飼育員なので、説明書を読む気がない。⇒何回か試して撤収。

すったもんだのあげく、ホームセンターをはしごして、水草、砂利、タモ、泡が出るタブレット(今こんなのあるのだねえ、エアポンプとライトは線に足ひっかけて大惨事が予想されるので見送り)、飾りの流木を買い込んできて、なんとか配置した。とりあえずスイスイ泳いでるし、なんだかデカくなってきた気がするので、うまくいってるのでは?

しかし、その昔金魚とかメダカにてきとーにえさをやって飼ってた時、こんなに「ど、どーすれば」みたいな感じではなかった気がする。ペットショップのおじさんに、休みの日に置いといた水半分いれかえるんだよー、あとはえさやっときゃ大丈夫的なノリでおしえてもらってそれで終わりだったような。

ポンコツ飼育員改め、過保護な飼い主は、死んでないかしらと毎朝数を数えている。こういうのはちょっと健全ではない気がするが、夜もかわいそうだから、明かりをつけるな(早めに暗くして、人類は2階へ)とか面白いことになっている。ホームセンターの袋に繁殖藻も入ってたから、増やす気満々だ。大量増殖している我が家の多肉植物と同じ未来が待っている気がするのは気のせいだろうか。

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